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43 報いるために

Auteur: 文月 澪
last update Date de publication: 2025-09-26 16:00:09

 やっと殿下、改めアルの腕の中から抜け出すと、脱ぎ散らかされていた寝衣ガウンを拾い上げ身にまとう。極薄だけれど、無いよりましだろう。しかしアルは、そんな私を楽しそうに眺めている。

「うん、そういうのもいいよね。隠されているのって、逆に唆るって言うか……ドレスの裾から足首が見えるの僕好き。あ、勿論リリー限定だから勘違いしないでね。透けてるのも色っぽくて、誘ってるようにしか見えないよ? それを今更着るのって逆効果じゃないかな」

 揶揄からかうよう弾む声に、私は固まった。昨夜は緊張で、よく自分の姿を確認していなかったけれど、見下ろす体には赤い跡が無数に散っている。寝衣ガウンの上からでもしっかりと『それ』が見えるという事は……。

 不安に駆られそっと腕を上げると、想像以上に見えてしまっていた。

「こ、これ……な、嘘……!?」

 なんとか体を隠そうと辺りを見渡しても、そんなものがある訳もなく、布団に逆戻りした。頭まですっぽりと被り、体を丸めるとアルの腕が優しく包んでくれた。

「ほんと、可愛

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     軍議が終わり、諸侯達がそれぞれの持ち場へと散っていく。 アルは私の手を取って優しくエスコートしてくれた。「リリー、体調は大丈夫? 少し外の空気を吸っていこうか」 私はその言葉に頷いて、一緒に歩き出す。 王宮から離宮までは散歩に丁度いい距離で、重苦しい軍議からの息抜きには最適だった。 途中の中庭で足を止め、東屋で一休みする。 お腹の膨らみは日に日に大きくなって、歩くのも大変だ。最近ではお腹を蹴ることもあって、元気に育ってくれているのが嬉しい。 アルもお腹を撫でながら語りかけてくれる。「今日も元気だね。会えるのはまだ先か……その頃には、この騒動も収まってるといいね」 そう言って微笑むアルに、私は頷く。「はい。この子や、これから生まれてくる命が脅かされることの無いよう、頑張らなければ」 この戦は、何もヴィスハイムやアックティカ、トスカリャだけの問題ではない。アックティカが鎖国したことで市場は崩れ、その影響は世界各国に及んでいる。 野菜の品不足による高騰、そして栄養の偏りから引き起こされる病も深刻化して来ていた。 農業とは、一朝一夕で補えるものではない。土づくりから、種植え、田畑の管理、収穫まで多くの手順が必要なのだから。 他にも農業国家はいくつかあるものの、市場に出回るには時間がかかってしまう。商隊の数にも限りがあり、商家も対応に追われている。 そしてこういう時には悪漢がのさばるのが世の常だ。 商品を買い占め、法外な値段で売りつける者が既に現れ始めていた。これも鎖国の悪影響のひとつだろう。 思わずため息が零れると、アルが私の頬を抓った。「い、いひゃい」 抗議の声を上げる私に、アルはぷっと吹き出す。「リリー? しかめっ面になってるよ? それも可愛いけど、笑ってほしいな」 ぷにぷにと頬をつつきながら、アルは首を傾げる。「あれ……少しふくよかになった? 触り心地最高なんだけど……」 両手で頬を包み込み、感触を楽しむアルに私は赤く染まった。「ア、アル……恥ずかしいですから……! 妊娠とはそういう物なのです。出産に備え、栄養を蓄えているのですよ」 最初は私も少し驚いた。太ってしまったかと思い、御典医に相談したらそう教えてくれたのだ。「ほら、アルの好きなトラウトも産卵前は脂がのって美味しいで

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  • 年下王子の重すぎる溺愛   48 暗雲

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  • 年下王子の重すぎる溺愛   45-1 未来

    「リージュ様、そう落ち込まないでください。私達メイドは慣れておりますから。最中であっても、空気のように仕事をするだけです。お気になさらず」 私の静止を待たずに部屋へ入ってきたネフィとメイドは、淡々と食事の用意をしている。恥ずかしくて隠れたのも、なんだか馬鹿らしくなってしまった。 そうは言っても、薄衣一枚で人前に出るのも憚れて、一度自室に戻り、着替えを済ませる。体も拭きたくてネフィにお湯を頼むと、既に用意されていた事に驚く。こういう所が流石だ。ゆったりとしたドレスに袖を通し、寝室に向かうと、アルも着替えを済ませて待っていてくれた。

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